薬剤師とフィトテラピー

「日本の薬局や薬剤師はどのような立ち位置でフィトテラピーを担うことができるか」

 これはフィトテラピーやアロマテラピーを学び始めたときからずっと考えている、そしてこれらに興味がある方々と一緒に考えて行きたいテーマです。

そのためにもフランスでフィトテラピーというとどのような形で用いられているかご紹介したいと思います。

  • 医薬品として販売されています。
    たとえばEUPHYOSE®。これはストレスによる軽い不安症状や不眠などのための医薬品です。パッションフラワー、ホーソン、バレリアン、それからBalloteというシソ科のハーブが配合されています。外用ではMadécassol®というHydrocotyle(ゴツゴラ)というハーブの成分が配合されたクリームがあります。瘢痕形成作用により皮膚潰瘍の治療補助目的で使用されています。
    これ以外にも一種類の植物のもので医薬品として販売されているものもあります。


日本にもこのような西洋ハーブの医薬品としてプレフェミン®、アンチスタックス®が販売されています。これらは要指導医薬品ですので、薬剤師が関わってきます。

今後はこのようなものが増えてくるのではないでしょうか。

 

  • 医師の処方によっても植物(ハーブ)、精油、チンキ剤、エキス剤などが用いられます。処方箋により薬局で調剤されます。(調剤用の規格のものが用いられます。)小児には坐薬もよく使われているようです。 

  • エルボリステリがあります。これは伝統的な薬草薬局で、近年は数も少なくなってきてしまいました。またHerboriste(エルボリスト)という資格がありましたが、これは1941年に廃止されてしまいました。

  • 薬局やオーガニックショップで植物や精油のサプリメントが販売されています。こういったところにフランスでのフィトテラピー製品の充実ぶりが伺えます。

 

フランスの薬局は処方箋をもとに医薬品を販売するだけでなく、一般用医薬品やサプリメントの販売、化粧品の販売も行っています。ホメオパシー、アロマテラピー、フィトテラピーのカウンセリングを行っているところもあります。ディプロムを取得した薬剤師がいる薬局では、精油などの調合をしてくれるところもあります。これも栄養補助食品としての扱いになります。

精油を精油だけでブレンドする場合もあれば、チンキ剤やエキス剤にブレンドすることもあります。

植物を用いる場合も、診断は医師のみに認められた行為ですので患者の訴えにあった植物を選択するにとどまります。またそれを行える領域は限定されています。

 

日本の調剤薬局のように、調剤のみを行うところはほぼありません。ちなみにPréparateurプレパラターというディプロムを持った調剤助手もいて、調剤業務のほとんどを行っています。

 

 

このようにフィトテラピーに用いられる植物で医薬品として認可されているものもあれば、栄養補助食品として利用されているものもあります。(薬剤師に向けての情報なので、ここはしっかりと区別したいと思います。)


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精油に関してはご存知の通り日本では雑貨です。フランスではものによりますが主として栄養補助食品の扱いになります。


よく日本で<フランスのメディカルアロマテラピー>という言葉を耳にしますが、フランスではアロマテラピーはアロマテラピーです。おそらく日本にアロマテラピーが入ってくる際に、イギリスのそれと区別するためにこのような呼び名がついたのではないでしょう。

日本においてアロマテラピーは様々な協会等によりセルフケアのためのツールとして教育普及活動が行われています。

薬剤師としても当然、同等、それ以上の知識を持つことが重要と考えています。


一つ一つの精油をブレンドして使うというのは素晴らしいことですし、私も自身や家族のケアには活用しており、手放せないものです。しかしこれを薬剤師が担うのには残念ながら様々な点で限界があると感じています。(可能性がないとは思いません。)

 

いくらアロマテラピーが一般的なフランスでも大半のお客さんは本などのレシピを頼りに薬局などで買い求めて自分でケアされています。売る側の薬局も、アロマテラピーのスペシャリストを置いているところは少ないです。(アドバイスも信用できる場合とできない場合が・・・)

アロマテラピーというと精油を自分で調合しなければいけないと思われている方も多いと思いますが、フランスでは精油をメインとした栄養補助食品や肌に塗るための商品(化粧品)があり、よく利用されています。

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このようなことを踏まえて、今後日本で薬局が、薬剤師が担うフィトテラピーを作り上げて行きたいと思います。

 

 

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薬剤師と植物療法の会は薬物治療を否定し代替医療を進めてゆく会ではありません。

フランスのフィトテラピーの栄養補助食品としての部分を日本でセルフケアの選択肢の一つとして提案し、地域の皆様の健康のために薬局・薬剤師としての役割を広げたいと思っています。

 

植物のサプリメントを取り扱ってみたいという薬局様がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。導入のお手伝いをさせていただきます。